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健康増進法など、喫煙室 基準/ガイドラインの変遷
喫煙室の設置基準・ガイドラインについては、健康増進法など法令により変遷があります。これまでの流れをまとめてみました。
法令から見る喫煙室のあり方の変遷
厚労省通達に見る喫煙室(空気浄化)に関わる事項の経緯(抜粋)
平成8年(1996年)2月21日
旧ガイドライン(最初の職場における喫煙対策のためのガイドライン)
- 建築物の新設や増改築の場合は設計段階から空間分煙を前提とした喫煙室等の設置を計画し、既存の建築物については創意工夫によって喫煙室等の設置を図ること。
- 屋外排出又は空気清浄装置でたばこの煙を除去して屋内に排気する方式の喫煙対策機器を設置する。
- 浮遊粉じん濃度 0.15mg/㎥以下 一酸化炭素濃度 10ppm以下(事務所衛生基準規則に準じ制定)
※この通達により、全国の各事業所で空気清浄機を置いた喫煙室が多く作られるようになった。
平成15年(2003年)5月1日施行
健康増進法 (新ガイドライン)
- 空気清浄機はガス状成分を除去できないという問題点があることから、たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する方式の喫煙対策を推奨。
- 喫煙室と非喫煙場所との境界において、喫煙室に向かう風速を0.2m/s以上とする、を追加。
※この法令により、受動喫煙防止対策を講ずることが努力義務化され、喫煙室に換気装置を取付けなければならなくなった。
平成27年(2015年)5月15日
喫煙室の技術的留意事項に関する厚労省通達
- 空気清浄機は、タバコ煙の粒子成分をよく除去するが、ガス状成分は除去できない。このため、屋外排気装置を設置せず、空気清浄機の設置のみで受動喫煙防止対策を実施することは避けることが望ましい。
- 屋外排気により、喫煙室と非喫煙場所との境界の扉を完全に開放した際生じる開口面における気流が、0.2m/s以上確保されている場合、境界の扉は開放しておいても大きな問題はない。
- たばこ煙の臭いによる苦情が少なからずあることから、快適職場の観点も踏まえ、例えば排気の清浄化 等、事業所が取り得る範囲で対策を行うことも適宜検討することが望ましい。(屋外排気のその他に記述)
※健康増進法施行後、平成17年、平成22年、平成24年 と実行状況の調査に基づいた通達が出されているが、上記の通達は改めて、今後の「受動喫煙防止対策」を強く関係者に示したもの。しかし屋外排気を行うためには、建物の壁に新たな開口部を設ける必要があり、ビルオーナーの許可が得られない場合も多く、空気清浄機を置いただけの喫煙室も多く見受けられる。
平成28年(2016年)4月28日
受動喫煙防止対策助成金に関する質疑応答集より
- 助成の対象となる喫煙室とは、壁等により他の部屋から空間的に分離された室であって、室外から内に向かう風速が0.2m/s以上となるように設計されているものをいう。
※のれんの設置などで開口部を狭くし、気流を確保する計画の場合でも、交付申請時はそれらを使用せずに要件を満たす設計が必要である。
平成30年(2018年)7月18日制定、 7月27日公布、 2020年4月1日施行
改正健康増進法
- 多数の者が利用する施設等に対して、屋内禁煙施設と原則屋内禁煙施設に類別し、後者の施設においては喫煙専用室を設ければ、その中での喫煙のみを認めるというものである。
- 喫煙室の技術的基準については明示されておらず、平成31年2月現在専門委員会で協議中。
※この法令により、2020年4月1日から受動喫煙防止対策がこれまでの努力義務から義務となる。
平成30年12月11日
たばこ煙の流出防止にかかる基準(案)
- 入口における室外から室内への風速が0.2m/秒以上であること
- 壁、天井等によって区画されていること
- たばこの煙が屋外に排気されていること
※上記は、喫煙室の技術的基準の検討委員会の中で出された資料に記載。
港区の「みなとタバコ対策 優良施設ガイドライン」から
平成27年(2015年)9月
空気清浄機では分煙できません!
- 「空気清浄機では分煙できません! 空気清浄機では有害成分の多くを占めるガス状の有害物質を取り除くことが出来ないことが明らかになっています。屋外への排気装置が必要です。」
※港区は東京都の中でも早くから受動喫煙防止対策に力を入れている区で、ガイドラインもしっかりとした表現がなされているが、担当部署からは屋外への排気は生ではなく浄化して欲しいとの要望あり。
東京都受動喫煙防止条例
2018年6月27日制定、 7月4日公布、 2020年4月1日施行
- 本質的な部分では国の方針に則った条例であるが、子供や従業員に対する受動喫煙防止に言及。
- 喫煙室の技術的基準について 「喫煙室(喫煙専用室、喫煙可能室、指定たばこ専用喫煙室)の技術的基準内容は、今後国から示される基準に準ずる。」とあるが、直接の行政監督官庁として都民の苦情などに対応することになるため国より厳しい管理を行う事が予想される。
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受動喫煙防止対策の推進に向けての強い意志が、条例の第四条と第七条に書かれている。
第四条 都民の責務
・喫煙及び受動喫煙が健康に及ぼす悪影響について理解を深めるとともに、他人に受動喫煙をさせることのないよう努めること
・東京都が実施する受動喫煙の防止に関する施策に協力するよう努めること
第七条 喫煙をする際の配慮義務等
・何人も、喫煙が禁止されていない場所において、喫煙をする際、受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならない
・施設等の管理権原者は、喫煙をすることができる場所を定めようとするときは、受動喫煙を生じさせることがない場所とするよう配慮しなければならない
厚労省の受動喫煙防止への取り組み方針
厚労省の受動喫煙防止への取り組み方針は20年以上前からほとんど変わっておりませんが、これは建物内にいる非喫煙者を対象にしたもので、排出口からの空気を吸引してしまう外の非喫煙者は対象にしていません。(屋外喫煙所については、現状、出入口やその付近の通行人から最低5m以上離す、となっており多くの苦情が監督官庁に寄せられている。)
東京都受動喫煙防止条例にある都民の責務は、建物の内、外を問わず、非喫煙者全員を対象にしているものであり、喫煙室から吐き出されるたばこ煙は、喫煙室内で可能な限り浄化される必要があると考えます。